8月の初旬、チェーンソー(共立CS42RS)のエンジンが不調になりました。
アイドリングからスロットルを握っても回転が上がらず、途中でエンジンストップしてしまう状態。
原因がわからず専門店に持っていくと「エンジンの焼き付き」とのこと。
ピストンとシリンダーを交換する高額修理になってしまいました(数万円…)。
チェーンソーのエンジン内部をみると焼き付きの具合がわかる
「エンジンの焼き付き」というのは、エンジン内のピストンやシリンダーが破損して傷ついたり、熱で溶けたり変形したりする症状とのこと。
エンジンはピストンとシリンダーが爆発により上下することで動力を得ているので、両者に隙間があると力が逃げてしまいます。なのでとても精巧につくられているそうです。
今回、交換したエンジンのピストンとシリンダー。どちらともキャブレター側に細かく縦傷が入っていました。
↓ピストン
↓シリンダー
ここまで完全にバラさなくても、マフラーやプラグを外して中をのぞけば様子が確認できます。
チェーンソーのエンジン焼き付き原因は、けっこうたくさんある
直接の原因ははっきりとはわからないんですが、原因となるポイントはたくさんある模様。
混合燃料の不良
いちばん疑われるのが混合燃料。
- 2サイクルエンジンオイルはきちんと混ざっていたのか?
- 良質なエンジンオイルをつかっていたか?
- 長期間放置して燃料が劣化していなかったか?
- 異物は混入していなかったか?
今回、20Lまとめてつくっていた混合燃料を給油してから症状が出たのでこれかな?と思いました。
混合燃料は放置しているとエンジンオイルが分離してくるそうで、つかう前にしっかり混ぜなおすべきと注意されました。
まとめてつくっちゃうと長期間つかわれない場合もあるので、劣化にも気をつけるべきとのこと。
また、燃料系統がつまって混合気が薄くなってしまうと回転数が上がりすぎるので、そのへんも注意が必要。
燃料フィルターも一度も交換してなかったので、交換してもらいました。
↓めっちゃ汚れてる…
2サイクルエンジンオイルは良質なものをつかうべき、というのは専門店でもとくに注意されます。
ホームセンターの安物でなく、基本的にはメーカー純正品もしくは同等クラスを勧められます(グレードがFDクラス)。僕はハスクバーナのオイルを使っています。
エンジン内への異物混入
シリンダーやピストンの傷は、エンジン内にゴミが入った可能性も疑わしい。
エアフィルターを掃除するとき、空気の吸入口がむき出しになるので、キャブレターからゴミが入る可能性大。
エアフィルターを外した状態で掃除する場合、チョークを引いておくだけじゃなくしっかり吸入口を手で塞いでおかないといけない。
あとは燃料を給油するとき、給油口が木屑だらけなことはザラにあります。
燃料のつまりや異物混入をふせぐためにも、給油口の周囲をブラシやウエスなんかでしっかり払ってからキャップを開けるべきだと思いました。
また、そもそも使用後の汚れを定期的にきっちり掃除できていたか、という問題もあります。
フライホイール側から空気は吸入されるので、エアフィルターだけでなくフライホイールもしっかり掃除が必要とのこと。
エンジンの冷却不足
エンジンの熱をしっかり逃しきれていなかったのでは?という疑いも。
これもいくつかあって、
- シリンダーフィンの汚れの固着
- 回転を上げて下げたあと、アイドリングさせずすぐエンジン停止
- フルスロットル状態でエンジン停止
冷却アイドリングは意識していたつもりですが、フルスロットル状態でのエンジン停止は下手くそなころにけっこうなってました(木に挟まれたり)。
あとはシリンダーフィンの汚れは「まあ問題ないかー取れないし」とか思ってましたが、専門店で注意されました。
コンプレッサーの空気圧だけでは落ちないので、しっかり削って落とすべきだと。
↓たしかに汚い…
ソーチェーンの目立て不足
刃が切れない状態でフルスロットルを続けると、これもエンジンにめっちゃ悪いです。
今回の場合、固い広葉樹を目立て100%じゃない状態で切っていたので、これも大きな反省点。
切れ味が落ちたら、替えの刃にすぐ交換するのを徹底します。
まとめ:エンジン焼き付きをしないために、こまめなメンテナンスを
今回の修理で「使い方ぜんぜんダメだー」と反省したので、同じ失敗を繰り返さない意味で記事にまとめました。
- 燃料は小分けでつくり、長期保存は避ける(2ヶ月以内くらい)
- 良質なエンジンオイル以外は使わない
- 給油するときは給油口の汚れを払う
- 掃除をもっとこまめに行う
- 冷却運転にもっと気をつかう
- 切れ味はもっとシビアに判断する
以上のことに気をつけていきます。
林業の雑誌『道具と技』を読んでいると、プロは道具の手入れもルール決めを徹底してるなと思います。
Vol.9で紹介されているキノコ原木を伐採する方は、とてもこまめにチェーンソーを手入れされています。ゴミの混入を防ぐために給油口キャップの開閉時の扱いや、チェーンソーの収納場所などにも気を使われています。
プロの考えから見習うべきことはとても多いと思います。
おしまい。