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【林業道具】伐倒でつかうクサビ3つを比較【ツメはなんのためにある?】

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木に打ち込むクサビっていろいろあるけど違いがあるの?

木を倒す伐倒作業で、クサビは必須の道具。木を傾けていくためにはクサビをつかいます。

クサビはサイズやメーカーがいくつかあって、違いがあるのかよくわかりませんでした。

なので買ってみたクサビ3つ(ハスクバーナ、バローベ、王様)を比較してみました。

個人的な結論はバローベのクサビが良いです。

そもそもの林業のクサビの役割と種類

クサビは木の切れ込みに挿してハンマーで打ち込んで使う道具です。

木を切るときにはなくてはならないものです。

クサビの役割

林業でつかうクサビは、V字につくられた強化プラスチックの塊です。

「矢(や)」とも呼びます。

木を切るとき、クサビには主に2つの役割があります。

  • 木の切れ目に打ち込んで木を傾けていく役割
  • チェーンソーの刃が木に挟まれないためのスペース確保の役割

使い方はものすごくシンプルですが、打ち込む場所を工夫すれば、かかり木を倒すときにも活躍します。

昔は硬いカシの木などを利用してクサビがつくられていましたが、現在市販さているほとんどは強化プラスチックです。

蛍光色など目立つ色なのは、山で落としたとき目立ちやすいためです。

クサビの種類

クサビのサイズは基本的に大・中・小の3サイズあります。

それぞれ厚みや長さがちがいます。

  • 大:長さ25〜27cm、 厚み約4cm
  • 中:長さ20〜22cm、厚み約3cm
  • 小:長さ14〜18cm、厚み約2.5cm

サイズが大きいほど木を起こす(傾ける)ことができます。

切る木の大きさによって、大をつかうか中をつかうかなど判断します。

クサビをつくっているメーカーはいろいろあります。

  • オレゴン
  • スチール
  • ハスクバーナ
  • バローベ
  • テコメック(スチールのOEM)
  • 杣(そま)

など、ほかにもメーカーがよくわかならいもので

  • 安全クサビ
  • 王様クサビ
  • タイガークサビ(王様クサビと同じ?)

などがあり、基本的には大中小の3サイズあります。

林業でつかうクサビを3メーカーくらべてみる

今回比べたのは下記の3つ。

  • ハスクバーナ(赤色:大・中)
  • バローベ(青色:大・中)
  • 王様クサビ(黄色:大・中)

小サイズがないのは普段使う機会がほぼないからです。よく使う大と中をくらべました。

クサビ中サイズの3つ比較

中サイズはどれもほぼ同じ長さ(22cm)と厚み(3cm)です。

ハスクバーナには抜け止め防止の「ツメ」がありません(後述)。

クサビ大サイズの3つ比較

長さはどれもほぼ同じ27cmくらいですが、厚みがちがいます。

  • 王様クサビ:4.2cm
  • バローベ:3.9cm
  • ハスクバーナ:2.5cm

王様クサビがいちばん厚く、ハスクバーナはクサビ小と同じくらいの厚みしかありません。

こちらも同じくハスクバーナにはツメがありません。

クサビのツメはなんのためにあるのか?

クサビの表面には「ツメ」があります。

これはクサビを打ち込んだときに、跳ね返りの衝撃でクサビが抜けるのを止める役割があります。

バローベには片面にツメが3列、王様クサビには斜めのラインが両面にあります(おそらくツメ?)。

ハスクバーナには一切ありません。

ハスクバーナのクサビは「重ね矢」できる設計?

「ハスクバーナは重ね矢できる設計」というのを聞いたことがあります。

「重ね矢」というのは文字通り、クサビを2枚重ねて打ち込む方法。厚みが増すため1枚よりも大きく木を傾けられます。

けれどクサビどうしの面の摩擦抵抗が少なくなるので、打ち込んだときに抜けやすくなるリスクも高くなります。

ハスクバーナはほかのクサビと違いツメがなく、表面の凸凹もほとんどありません。そしてクサビ大は厚みが少なくつくられています。

これは重ね矢を前提にしているのかな?と思いました。

クサビどうしが触れる面が多ければ摩擦も増えるはずで、一方の厚みが薄ければ急角度になりすぎず安定して重ね矢を打ち込んでいけるんでしょうか?

※【追記】重ね矢の使用例がありました。林業雑誌『道具と技2』p24で、北欧式伐倒の講師の方がクサビ大2枚の重ね矢をしています。

クサビ大を平行に重ねるのでなく、1本を真横から打ち込んで直角にクロスさせています。こうすることで、滑ることなく小さな力でリフトアップできるとのこと。


 

打ち込むときにツメは上側?下側?

クサビの抜け止め防止のためのツメですが、打ち込むときに上か下か、どちらがいいんでしょうか?

僕は普段意識したことすらなかったんですが、出来杉計画さんのブログ記事を読んで考えさせられました。

メーカーの説明によると、

  • ツメは上になるよう打ち込む。
  • ツメを下にしていると木とクサビ本体の間に隙間ができて、ツメの先端に荷重が集中して折れやすくなる。

とのことだそうです。けれど「ほんとかよ?」という意見もいろいろあって、コメント欄の議論を追うのが面白いです。

 

まとめ:個人的にはバローベのクサビが良い

僕はこれまで「安全クサビ」「タイガークサビ」「バローベ」をつかってきました。個人的にはバローベは丈夫で打ち込みやすくて気に入ってます。

今回新たにハスクバーナと王様クサビを購入したので、使用感などまた追記してきます。

・・・

【追記】ハスクバーナは思ったより丈夫で、打ち込みもスムーズです。先端が他のクサビにくらべ尖っているので、無理に打ち込んで木に接触させると欠けやすいかも(ミスって欠けさせました…)。

王様クサビは可もなく不可もなく、といった感じです。

コスパや丈夫さを考えると、個人的にはやっぱバローベかなーと思います。



 

おしまい。

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