こんにちは、がっちょです。
チェーンソーの切れ味を求めた結果、
- ソーチェーンを「チゼルタイプのカッター」
- やすりを「角やすり」
の組み合わせで目立てするようになりました。
この「角やすり+チゼルカッター」の目立てはむずかしいとされています。実際、最初はもうわけわからん上に、参考となる目立て解説が公式には見当たりません(オレゴンの公式HP掲載「メンテナンス・セーフティ・マニュアル」P42に簡単な解説があります)。
はっきりいって正解がわからん。
ひとつ言えるのは、そこそこ目立てが出来てくると、従来の「丸やすり+マイクロチゼルカッター」の組み合わせより確実に切れ味が上がります。
ネット上のブログ記事やYoutubeを参考に、半年ほど思考錯誤したので、
- チゼルとはどんな刃か?
- 目立ての思考錯誤いろいろ
- 現状の目立て方法
的な内容をまとめてみます。
角やすりを使ったチゼルカッターの研ぎ方
まずチゼルカッターのソーチェーンと、それを研ぐ角やすりについて簡単に説明します。
チゼルはどんなカッター?
僕が使っているのはオレゴンの「21LGX」というソーチェーン。チゼルタイプのカッターが付いています。
以前は「21BPX(マイクロチゼル)」を使用していたので、そのチゼルバージョンです。
カッターの上刃と横刃が交わる刃先の頂点は「ワーキングコーナー」と呼ばれます。
チゼルはワーキングコーナーが明確で角がしっかり立っています。マイクロチゼルは丸くなっていて曖昧な感じ。
ワーキングコーナーの形の違いは下記の2つに関係します。
①切れ味
チゼルはマイクロチゼル(ほかセミチゼル、チッパー)より切れ味がいいとされます。
理由としては「切り進むときにカッターが木に接触する面積がチゼルの方が小さく、そのぶん抵抗も少ないから」だそうです。マイクロチゼルはワーキングコーナーが丸いので、そのぶん接触する面積も増える、という感じ。
(このへんの説明は林災防の本『ソーチェーンの正しい目立て』に図解があります)
②横刃目立て角(丸やすりで研ぐ場合)
チゼルも丸やすりで目立てできます。チゼルはワーキングコーナーが立っているので、普通に丸やすりで水平に研ぐとマイクロチゼルよりも必ずフックになります。
そのため横刃目立て角はマイクロチゼル80〜85°に対して、チゼル75°くらいとされます。
角やすりってどんなやすり?
角やすりとはその名のとおり、角ばっているやすり。
代表的なものとしては下記の3つが販売されています。
- ダブルベベル(六角形)
- スリーコーナー(六角形)
- グーフィー(平やすりの側面にも研ぎ面がある感じ)
すべての面に研ぎ面がありますが、大きい面でカッターの上刃、小さい面でカッターの横刃を研ぐ感じになります。
使い方はどれも同じで、いまのとこダブルベベルがいちばん使いやすい気がします。
チゼルカッターの研ぎ方(現在こんな感じ)
角やすりで削る場合、失敗するとソッコーでカッターがなくなっていきます。
いろいろやってみて、ソーチェーンダメにしてを繰り返して、現在はこんな感じで研いでます(これが正解だとは思ってませんが、切れ味はいいです)。
カッターの角度
- 上刃切削角、横刃切削角:60°くらい
- 上刃目立て角:25〜30°くらい
- 横刃目立て角:85〜90°くらい
研ぎ方
研ぎ方としては、丸やすりのように同時にすべての角度を出すのは無理だと考え、上刃と横刃を別々(のイメージ)で研ぐことに落ち着きました。以下手順です。
1)やすりの大きい面が60°くらいになるように持つ
上刃切削角60°を決めるため、大きい面の角度が60°くらいになるように。ちょいちょい分度器で測るのがよい。
2)ワーキングコーナーから斜め下に向けて上刃を研ぐ
やすりの角をワーキングコーナーに合わせて、水平じゃなくやや斜め下方向、上刃目立て角30°方向に研ぐ。
- 上刃の切削面をしっかり研ぐ。
- 横刃は意識せず、上刃が研げるよう力を入れること。
- やすりの角とワーキングコーナーをしっかり合わせること。
- 上刃の切削面が全面きちんと研げているか、光を当てて確認すること。
- やすりを斜めにしすぎると、上刃の後方にやすりがあたらず上刃目立て角が出せないのでほどほどに。
3)やすりの小さい面が90°くらいになるよう持って横刃を研ぐ。
- 横刃目立て角85〜90°を出すため、小さい面が90°(直角)くらいになるように持つ。
- ワーキングコーナーに合わせて、横刃だけ研ぐイメージで力を入れて数回研ぐ。
- 上刃を研いだときのやすり角度で横刃を研ぐとバックスロープになりやすい。
- 横刃目立て角を確認しながら調整していく。
・・・という感じです。
ワーキングコーナー側から研ぐのに違和感あるかもしれませんが、角やすりでも丸やすりでもこれはまったく問題ありません。むしろ横刃目立て角が確認しやすくて目立てし易かったりします。
丸やすりと同じく、右カッターと左カッターで得意不得意が出てきます。僕は右カッターが苦手で、上刃目立て角が直線でなく丸まりやすいです。
上手くいかなかった目立て方法
ネットで調べると、角やすりでの目立て方法はいくつか紹介されています。いろいろやってみてどうも上手くいかなかった例をあげます。
丸やすりと同じく水平に研ぐ方法
角やすりをワーキングコーナーに合わせてやや斜め下に研ぐのでなく、丸やすりと同じく水平に研ぐ方法です。
この場合はやすりの形状を考えると、横刃目立て角がフックになります(「くちばし型」とか呼ばれてます)。
言い換えれば新品のソーチェーン(21BPXなど)に近いカッターの角度になります。
切れ味は悪くないですが、個人的には
- 縦引きの切れ味がいまいち
- キックバックしやすい
- 硬い木は抵抗が大きすぎる
という感じなので、別の方法がいいかなと思います。
斜め45°くらい下方向に研ぐ方法
これは海外のYoutubeで散見された研ぎ方。できるならこれが正解なのかもと思う角度です。
ワーキングコーナーから思いっきり斜め45°くらい下に向けて研いでいきます。
やすりを斜めにするほど、上刃の後方にやすりが当たらなくなります。
なので上刃目立て角度を出すには、やすりの方向を上刃目立て角度30°よりも大きくしていけばやすりが当たるようになります(横刃切削角はそのぶん鋭角になるけど)。
ただ、この研ぎ方はかなり難しくて、上刃と横刃どちらもうまく研げず断念しました。
斜めにするほどやはり上刃の切削面にやすりが上手く当たりません。
それとワーキングコーナーへの当て方がシビアで、失敗すると横刃がすぐバックスロープになってしまいます。
おまけにソーチェーンのタイストラップをいっしょに削ってしまいます。めちゃくちゃむずいので、出来たらめちゃくちゃかっこいいと思います。
上刃と横刃を同時に決めようとする方法
丸やすりのように上刃と横刃を同時に研いでいくと、僕の場合は上手く研げないことが多いです。
上刃の全面にやすりが当たってなかったり、横刃がバックスロープになったりします。
やすりを斜め下に向けるほどこれが顕著だったので、まず上刃を軽く斜め下くらいでしっかり研いで上刃目立て角と切削角をしっかり出して、つぎに横刃を研いで横刃目立て角と切削角を調節する、という感じに落ち着きました。
まとめ:正解わからん
現状はこんな感じで研いでます。
とりあえず切れ味は丸やすりの場合よりもよくなるし、マイクロチゼルの場合でも角やすりで目立てすると切れ味は上がります。
丸やすりをフリーハンドで目立てできる人なら、角やすりでの目立てはめちゃくちゃむずかしい訳ではないので、試す価値ありだと個人的には思います。
改善点があったらまた追記していきます。
↓参考にした目立て動画の再生リスト
おしまい。