たしかにそのとおり。
山に入って木を切ってみて思いますが、林業は危険な仕事だと感じます。
けど同時に、基本的なことを守れば、ある程度の危険は防げるとも思います。
この記事では労働災害の数字をもとに、林業がどれくらい危険かを簡単に説明しまてみます。
林業は「労働災害が多く危険な仕事」なのは事実
統計を見ればはっきりしています。
労働災害の発生度合を表す「千人率」というもの。
この数字が全産業のなかでもっとも高いのが林業です。
(林野庁:林業労働災害の現況より引用)
平成30年だと 1000人あたり22.4人 の人が怪我をしたり亡くなっています。
全産業が2.3人なので、林業はほかとくらべて約10倍の死傷者数。
別の資料を見ると、林業全体の死傷者数は年々減ってはいます。
(林野庁:林業労働災害の現況より引用)
ただ、ほかの産業にくらべて危険なことに変わりはありません。
林野庁のサイトにも下記のように記載されています。
林業における労働災害は、長期的には減少してきていますが、今なお災害の発生率等、他の産業に比べて高い状態にあります。
もっとも危険なのは木を切り倒す作業
林業のいちばん危険な作業は木を切り倒す作業です。
これも統計をみればはっきりしています。
(林野庁:林業労働災害の現況より引用)
死亡災害の状況を見ると「伐木作業中」が半数以上になっています。
また、死傷災害の発生状況も同じです。
(↑厚生労働省:労働災害統計より)
項目別だと
- 飛来・落下
- 激突され
- 切れ・こすれ
が圧倒的に多いです。
これもおそらくチェーンソーでの「伐木作業中」の事故だと思います。
考えてみれば当たり前ですが、伐木という作業は
- 木という重量物の直下でそれを切り倒す
- 刃が高速で回転しているチェーンソーを扱う
- 足場が不安定な山の斜面で作業する
という具合なので、普通の感覚だとめちゃくちゃ危険なことです。
まとめ:自分の努力で防げることも多いはず
「林業は労働災害が多くて危険だ!」みたいな感じで書いてきましたが、それは改善の余地がたくさんある部分かもしれません。
たとえば木を切り倒す伐木作業でいちばん事故が多いなら、その技術や安全意識を高めるのは効果的です。
林野庁の林業労働災害の事例を見ると「そりゃ事故になるよ」という事例ばかりです。
- 伐木作業中、放置したかかり木が落下して叩かれた
- かかられている木を伐倒、かかっている木が落下し叩かれた
- 伐倒方向が変わり、斜め下方で退避中の同僚に当たった
極端な事例だとは思いますが、基本的なルールを守ればどれも防げるものです。
(横着する気持ちはよくわかるけど)
・・・
伐木作業がもっとも危険であるのなら、基本を守ろうとあらためて思いました。
おしまい。