こんにちは、がっちょです。
竹を切り倒すとき、「追い口切り」「斜め切り」など木と同じような切り方をします。
ところで、いたるところで見かける荒れ放題の竹やぶの竹。だいたい谷側(下方)に大きく曲がっていることが多いです。
谷側に曲がった竹を山側(上方)に倒すとき、僕がやっている方法について書きます。
(簡易的な方法なので、参考程度に)
谷側に曲がった竹を、山側に倒す
狙いを定めて竹を倒すには、木と同じで「追い口切り」をします。
「受け口」「追い口」をつくって、両者の間の「ツル」を支点にして倒し込みます。
追い口からつくる
谷側に曲がった竹を、山側に倒す場合。山側方向に受け口をつくってから追い口を入れようとすると、100%チェーンソーが挟まれます。
なので追い口切りするには、細い木と同じで「追い口からつくる」手順をとります。
追い口ができたら受け口。
この切り方は慣れていないと
- 伐倒方向を決めるのがむずかしい
- ツルを切りすぎてしまう
といった難点があります。
正直、追い口→受け口の手順だと伐倒方向を完璧に合わせるのがむずかしいので、だいたいこんなもんか程度でつくります。
(なのでシビアな伐倒には向きません)
ツルはかなり厚めに残して裂けないように
竹は中身が空洞なので、支点となるツルがとっても脆いです。
感覚的には直径の1/3〜1/4くらい厚めに残したほうが、幹の裂けを防げまず。
(あまりに大きく谷側に曲がっている竹の場合、追い口や受け口作成の途中でツルが破断する、または幹が裂け上がる可能性大なので、この切り方はやめたほうが懸命です。)
ロープを上げて引っ張って倒す
あとはロープを幹にかけて、もやい結びでつくった輪を出来るだけ高く上げて引っ張って倒します。
竹自体は木にくらべてはるかに軽いので、竹の曲がりが軽微ならロープを使わず手で押しても十分倒せます。
(安全性を考えると最初にロープをセッティングするべきですが、一人作業で切る本数が多いとやってられません)
倒れた後に竹が滑り落ちにくくするには
竹は倒れるとツルがほぼ全てちぎれます。くわえて幹がツルツルなので、一気に谷側へ滑り落ちてしまうこともよくあります。
滑り落ちを完璧に防ぐにはロープなんかで繋いでおくのが確実ですが、簡易的なポイントを2つ書きます。
受け口追い口を高くつくる
伐倒方向に段差などがある場合。先端が着地する前に幹が段差に接地して、そこから支点となって根元側が跳ね上がることがあります。
この天秤のような形になるのを防ぐため、ツルをつくる位置(受け口追い口の位置)をかなり高めにします。そうすることで、幹の途中が最初に接地するのを防ぎやすくなります。
余談になりますが、竹を適期(12月〜2月に)に地上高1mくらいで切ると、竹が枯れやすくなるそうです。
この現場は杉ヒノキ林に竹がかなり侵入していたので、竹を枯らすべく試しに1m前後の高さで切りました。
(雑誌「現代農業」で紹介されている竹の伐採方法で、けっこう有名です)
下駄をはかせる
「下駄をはかせる」とは受け口下切りと追い口に段差をつけること。要は基本通りの追い口切りをすれば、下駄をはかせた状態になります。
ツルがちぎれても切り株や受け口の凹凸でひっかかり、滑り落ちるのを防ぎやすくします。
幹が裂けずに確実に上方伐倒するには
竹はツルや幹自体がとっても脆いです。
なので上記の切り方は、重心によっては幹自体が途中で裂けてしまうことがあります。
そういった竹を上方伐倒するには、
- ロープを張って最初から山側にテンションをかけて、受け口追い口をつくる
- もっと力が必要なら牽引道具(チルホールやパワーウインチ)で起こしていく
といった手間をかけるほうが確実です。
また、下方の別の竹なんかに先端がしっかりかかっている、あるいは下に倒れようとしてもすぐに引っかかる場合。
下に倒れる力がそこで止まってくれるので、裂ける可能性が低くなります。その場の竹を全部切るのであれば、上側から切っていけば下の竹を支えにできて上方に倒しやすくなります。
上方伐倒が無理だと思う竹
極端に谷側に傾いている竹や、積雪状態で大きく曲がった竹なんかは、そもそも上方伐倒は無理だと思います。
とくに積雪状態ではかなりの荷重がかかっているので、少しでも幹を切るといっきに裂けます。
これを下方に倒したくない場合、雪解けを待ってから切るしかありません。
↓積雪状態の竹を切ると一瞬で裂けます。
まとめ:難易度は重心次第
木も竹も同じで重心が偏っているほど、重心方向以外に向けて切り倒す難易度は上がります。
竹は軽いので、手で押しても動かせるけど、ツルの強度は信頼できません。
木と竹の違いを考えながら伐倒するのは、けっこう面白いもんです。
おしまい。