木の伐倒には、必ず受け口と追い口を根元付近につくります。
で、伐倒方向を決めて、いざ受け口をつくろうとしたときに迷うのが、
「・・・どのへんの高さにつくればいいんだ?」
ということ。
その考え方と手順について書きます。
まず決めるのは「追い口の高さ」
結論からいえば、受け口のまえに追い口の高さを決めます。
理由はチェーンソーの取り回し範囲の確認のため。
どんなに受け口を正確につくれても「追い口を入れたい位置に障害物があって思うようにつくれなかった…」では意味がありません。
とくに追いづる切りをする場合、追い口のはじめに突っ込み切りをします。
突っ込み切りはチェーンソーを差し込む方向を移動させながら行うので、チェーンソーの取り回し範囲が広いです。
なので確認していないと、思うように突っ込み切りができない場合もあります。
まず追い口を入れるイメージを描き、実際にチェーンソーの取り回しが問題なくできるかを確認して、大丈夫ならその位置に印をつける。
そして受け口の位置、という考え方です。
位置決めの手順
手順は簡単、印を3つチェーンソーでちょんちょんと入れるだけ。
①チェーンソーの取り回し範囲を確認し、追い口の始点にチェーンソーで印
(追いヅル切りの場合は突っ込み切りする位置に印)
②バーを平行にずらして、受け口側に印
③伐根直径から追い口の高さを計算して、受け口下切り位置に印
(※追い口の高さ計算は、伐根直径の15〜20%)
この印をもとに、受け口と追い口をつくります。
斜面での下方伐倒では必ずやるべき
例えば斜面にある木を下方に倒す場合。
受け口をできるだけ下につくって、いざ追い口を切ろうとしたら、そこが地面だった…みたいなケースがあります。
追い口の位置から決めていれば、まず起こらない失敗です。
木はなるべく下から切ったほうがいい理由
前述の方法をとれば、伐採する高さをギリギリまで地面ちかくに攻めることができます。
木はなるべく地面にちかい高さで切ったほうがいいです。
理由は3つあります。
材積がかせげる
あたりまえですが、木は根元に近いほど太いです。
単純に材積が大きくなるのでなので、用材やチップ材として出荷する場合に有利です。
根本の曲がりを切り落とす前提であれば考えものですが、「木材の有効利用」という観点ならできるだけ下からきるべきです。
伐倒にもメリットあり
太い部分に受け口と追い口とつくるということは、それだけしっかりしたツルがつくれます。
くわえて追い口のスペースも長く取れるので、クサビを奥まで打ち込みやすくなります。
- ツルが長くなり強度が増す
- クサビのスペースが増える
という点で、伐倒ではメリットになります。
切り株が集材時のじゃまにならないため
残った切り株は、木を集めるときの障害物になりやすいです。
切り株が高いと引っかかることも多くなります。
ギリギリまで低く切っておくことで、障害になるのを避けられます。
・・・
この手順を習ってから、いつも感覚で決めていた迷いが1つなくなりました。
とても簡単で便利なやり方だと思います。
おしまい!
すみません。先のコメントでお名前間違えました。きこりやろうさんですね。