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ワイヤーロープのアイ加工「かご差し」の編み方【写真で解説】

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こんにちは、がっちょです。

玉掛けなどにつかうワイヤーロープにはアイ加工(輪っか)が必要です。

アイを手作業で編むことは「アイスプライス」と呼ばれて、基本的な編み方は3種類あります。

今回はいちばんむずかしく、いちばん強度のある「かご差し」の手順について説明します。

ワイヤーロープのアイ加工「かご差し」の編み方

かご差しのルールは、シノを差すときの1越し2差し

これを徹底して編めば完成します。

フレミッシュアイをつくったら、ストランド6本を編み込んでいきます。

 

※フレミッシュアイ作成までの手順は下記の記事で解説していますので、参考にしてください。

ワイヤーロープのアイスプライスの種類と、「エビ差し(変形割差し)」の編み方林業の現場ではワイヤーロープをよく使います。 頻繁に使うのが、荷掛け用のたまこと呼ばれる短いワイヤーロープ。 たまこをつくる...

 

はじめに編むストランド

1回目にストランドを編む順番はエビ差しと同じですが、編み込む方向とシノを差す場所が違います。

まずはじめに①のストランドから編み込んでいきます。

「1越し2差し」なので黄矢印を越えて、赤矢印の下にシノを差して、のストランドを入れます。

↓「1越し2差し」でシノを差します。

↓シノの溝をつかって、手元から先端に向けてストランドを通します。これはエビ差しと方向が逆なので注意です。

2本目の「1越し2差し」は1本目を基準にする

2本目を編むとき、1本目に編みこんだときの「1越し2差し」から、1つ上にずらして差し込みます。

↓2本目を差したあと。1越し2差しで、前に編んだストランドの左どなりに出るイメージです。

1本目と同じ場所からストランドが出てしまうと間違いです。かならず1こずつ左にずれます。

3本目のストランド

2本目とおなじ要領で、1越し2差しで、前に編んだストランドの左どなりに出ます。

裏返して4・5・6本目のストランド

片側3本が編めたら、裏返してもう3本を編んでいきます。

1本目と同じように1越し2差しで編めば、4本目のストランドは3本目の左どなりにでます。

1周編んだら、もう2周編んでいく

1周6本編み終わったら、もう2周を同じ要領で編んでいきます。

全部のストランドが同じ高さでそろっているので、2周目のスタートはどのストランドから編んでもOKです。

1越し2差しで編んで行きます。

↓2周目の編み終わり

↓3周目の編み終わり

4周目から「半差し」であと2周編んでいく

4周目から「半差し」にします。

半差しとは、ストランドを分解して「内層線」「外層線」に分け、外層線だけをさらに編み込んでいく加工方法です。

ワイヤーを玉掛け用途で使う場合、法規によりアイスプライスは半差しが必須になります。

アイスプライスは、ワイヤロープのすべてのストランドを三回以上編み込んだ後、それぞれのストランドの素線の半数の素線を切り、残された素線をさらに二回以上(すべてのストランドを四回以上編み込んだ場合には一回以上)編み込むものとする。

クレーン等安全規則第219条

半差しのメリットは、編み込みの終わりが先細り(テーパー状)になることで、そこにかかる負荷を軽減でき耐久性が上がる、とのことです。

ストランドを分解する

ストランドを分解する方法はいろいろあると思いますが、以下習ったやり方。

↓まず4本くらいのまとまりを、シノ差しで選り分けます。

↓まとまりのまま根元まで分解します。

↓さらに選り分けていくと、中心に芯のようなまとまりがあるので、芯とそれ以外を分解します。

↓できるだけ素線がバラバラにならないよう、まとまりで分解します。

↓3本に分解できたら、芯以外の2本を編み直して1本にします。

↓6本すべて分解した状態。

分解した外層線を2周編み込んでいく

分解できたら、前と同じ要領(1越し2差し)で2周編んでいきます。

編み終わったら、余ったストランド12本をしっかり遊びがなくなるまでひっぱって締め直します。

ハンマーで整形して完成

付け根から先端方向にハンマーで叩いて整形します。

整形が終わったらストランドを付け根でカットします。

これで完成。

かご差しがむずかしいポイント

かご差しをやってみて、むずかしいポイントは2つあると思いました。

ストランドを通すのがたいへん

エビ差しだとすんなりストランドを通せますが、かご差しはストランドのクセとは反対の方向に通すので、けっこうコツがいります。

ストランドのクセを見ながら根元をしっかり手でガイドしてやらないと、「根元がどうにもこうにも通らない!」ってことが僕はよくありました。

力技でひっぱることもできますが、その場合は必ずキンクします。

なのでストランドを反対側からひっぱるのでなく、根元側をしっかりガイドしながら押し込むのがポイントです。

差し込む場所がわかりにくい

かご差しは慣れないと、シノを差す場所がわかりにくいです。

同じ場所からストランドが出てくるのは間違いですが、慣れていないとよくやってしまう失敗です。

  • 1越し2差しになっているか
  • 前に通したストランドの左となりから出ているか
  • 同じ場所からストランドが出ていないか

というのを1本ずつよく確認しながらやるとうまくいきます。

まとめ:エビ差しを覚えてからやったほうがいい

カゴ差しはアイスプライスの中でいちばんむずかしいです。

なのでそもそもアイスプライスをやったことがない場合、かんたんな「エビ差し」をマスターしてからやったほうが、感覚としてわかりやすいです。

  • つかう道具(シノ差し、ハンマー、ワイヤーカッター)
  • フレミッシュアイの作成
  • ストランドのより分け方

なんかは共通なので、エビ差しを覚えてからのほうがイメージしやすいはずです。

 

・・・

以上、かご差しについての解説でした。

アイスプライスは下記のサイトでも詳しく説明されているので、参考にしてみてください。

 

おわり。

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