立木をチェーンソーで切ってつくられるのが「丸太」。
原木(げんぼく)とも言ったります。林業にとって、基本的に丸太が商品になります。
↓原木市場にならべられた針葉樹の4m丸太。
建築材料につかわれる丸太の価格を決めるのは、体積が要素の1つです(丸太の体積は材積(ざいせき)と呼ばれます)。
今回は丸太の材積の計算方法について書きます。
材積の計算式
材積を出すには計算式があります。
「末口の径」×「末口の径」×「丸太の長さ」
です。用語を知らないとなんのこっちゃわからないので、具体的に説明してきます。
丸太には末口と元口がある
あたりまえですが、木は根本が一番太くて、上にいくほど細くなっています。
つまり、丸太もそうなっています。
根本側の太い切り口を元口(もとくち)、先端側の細い切り口を末口(すえくち)と呼びます。
↓真ん中の丸太は手前が元口、奥が末口
材積の計算では末口のサイズと丸太の長さが必要な数値になります。
末口のサイズはいちばん小さい場所
末口を測るには注意が必要です。
農林水産省の「素材の日本農林規格」という資料に、丸太の材積の計算方法が定められています。
そこでの末口の測定方法は、
①丸太の径は、最小径とする。
(中略)
④丸太の径の測定をするにあたっては、樹皮を除いて行うものとする。
(出典:素材の日本農林規格)
これもあたりまえですが、丸太は完璧な円をしているわけじゃありません。
凹んでたりでっぱってたり、けっこういびつです。
丸太の中心をとおるようにして、いちばん小さい場所が末口のサイズになります。
このときに樹皮の部分は除外しないといけません。
「素材の日本農林規格」の材積の計算式
計算式も先ほどの資料「素材の日本農林規格」に規定があります。
引用すると、
丸太の材積は次の計算式を標準とする。
イ 長さが6メートル未満のもの
D2×L×1/10,000
補足すると、
- D2:丸太の末口の二乗(cm単位)
- L:丸太の長さ(m単位)
- 小数点第4位以降は四捨五入
では!この計算式をもとに計算してみます。
例えば、末口が24cm、長さ4mの丸太だと
24×24×4×1/10000=0.2304
になるので、この丸太の材積は0.230㎥になります。
・・・なんか、かなりざっくりな計算方法です。
けれど、丸太は人工物じゃないのでいびつな上に、末口と元口があるので正確な計算がむずかしい。
市場では大量に丸太をさばいているだろうから、こんな簡易的な計算方法になったんでしょうか?
(※ちなみに6m以上の丸太ではややこしい別の計算式になります。)
0.23㎥の丸太の値段はいくら?
前述のとおり丸太の価格はおもに材積で決まります。
ほかの要素としては、その丸太が
- まっすぐかどうか(直材、節、小曲がり、曲がり)
- 腐りや傷、虫食いはないか
- 樹種はなにか
でも大きく変わってきます。
とりあえず先ほどの0.23㎥丸太が「曲がり・ヒノキ・腐りなどなし」とすると
1㎥@13,000円×0.23=2,990円 になります。
㎥単価はあくまでも近隣地域の相場ですが、これが「末口24cmヒノキ4m丸太」の価格になります。
ヒノキなのでわりと高いほうで、スギだともっと安くなります。
んー、切るのも出すのも大変なんだけど、安いな。
関連記事:木は昔に比べて安くなったというけれど、丸太の価格がどれくらい安くなったのか調べてみた。
・・・
以上、丸太の材積の計算方法についてでした。
おしまい!