先日、広葉樹を伐採していたとき、切り株が面白い形に残りました(上の写真)。
切り方は基本の追い口切り。ツルの両端が裂け上がっています。
この裂けを防ぐ「オノ目」についての記事です。
なぜ裂けるのか?
ツルがある両端数cmの部分は、受け口と追い口を切っていく中で、木の側面が唯一のこる場所。
僕が思うに、その側面の引っ張りが原因で上方に引き裂けを起こす、という理解です。
木の用途がチップ材なんかであれば気にする必要はありませんが、用材として出荷したいなら、引き裂けがないにこしたことはありません。
オノ目の入れ方
この引き裂けを防ぐためにいれる切れ込みを「オノ目」と言います。
「隅切り」「コーナーカット」とも呼ばれます。
↓斜めに入っているラインがオノ目
入れるタイミングとしては、受け口をつくったあと。
- 受け口下切りから1cm下あたりの位置で
- ツル幅の2倍以上の長さで
- 幹に対して30度くらいの角度で
- ガイドバーの2/3の深さで
そんな具合で切れ込みを入れます。言葉にするとややこしいですが、そんなに難しいものではありません。追い口を入れる前にパパッとやってしまえます。
ツルの受け口側が裂けやすいので、受け口側方向に長めにオノ目を入れるのがポイントです。
↓オノ目の効いたツル。
ツルの両端、オノ目を入れたところが少し抜けています。
オノ目のデメリット:ツルの強度を弱める
オノ目を入れると裂け止め効果がありますが、デメリットもあります。
それはツルの強度を少し弱めてしまうこと。
オノ目を入れる部分はつまりツルの一部になっています。
これを切るので、その部分はツルの強度がなくなります。
ツルの強度を弱めたくない場合、オノ目はあえていれない方がいいと思います。
オノ目を入れる習慣を
オノ目を入れないと絶対に裂ける、わけでもありません。
なのでたまにしかオノ目を入れてないと、習慣づいてないので忘れがちになります。
けど「倒してみて裂けてしまった…」となる場合、必ず入れたほうがいい。
そう考えてやっと身につきました。
(オノ目のデメリットが気になるなら入れないほうがいいです)
・・・
以上、オノ目の話でした。
おしまい!