スウェーデントーチって興味あるけどどんなもの?どうやってつかう?
こんにちは、がっちょです。
僕は林業を始めてから「スウェーデントーチ」という面白い焚き火道具を知りました。
この記事ではスウェーデントーチ について、僕の知るかぎり詳しく解説します。
スウェーデントーチって何?
スウェーデントーチを簡単にいうと、切れ込みを入れた丸太に火を灯してつかう焚き火道具です。
そもそもの用途は「かがり火」。炎の照明です。
名前のとおり北欧由来のもので、調べてみると発祥はスウェーデンではなくフィンランドとのこと。
また、トーチにはいろんな呼び方があります。僕が見たり聞いたりしたのは下記の5つ。
- スウェーデントーチ
- スウェディッシュトーチ
- ウッドキャンドル
- きこりのロウソク
- きこりストーブ
おそらくスウェーデントーチという名称が一般的です。理由は以前、サントリー「オールフリー」のCMで登場したこと。
佐々木蔵之介さんが「スウェーデントーチ」という言葉を使っているので、その認知度が高いのかなと思います。
↓オールフリーのCM(35秒あたりから注目)
【スウェーデントーチの使い方】火の付け方〜あと始末まで
まず、使うときの注意点です。
- 焚き火をやっても大丈夫な屋外で燃やしてください。もちろん煙も出ますので屋内はぜったいダメ。
- 火が落ちてコゲても大丈夫な地面や台の上で燃やしてください。丸太の底は燃え残りますが、燃え尽きて形が崩れてくると火が周囲に落ちます。
この2つは十分注意してから使ってください。
①火をつける
トーチに着火させるには手順があります。
簡単に説明すると、一番簡単なのは着火剤を使う方法。
↓こんなやつ。(固形、ジェル状、パック状などいろんな種類あり)
切れ込みの真ん中に着火剤をかるく差し込んで、それにライターで火をつけます。
着火剤は火をつけると全体に燃え広がるので、絶対に手に持ったまま着火しないでください。
着火剤だけでは燃え移らないこともあるので、焚きつけになるものも一緒に燃やします。
竹は火力が強くて燃えやすいので、細かく割った竹は焚きつけとして重宝します。
ほかにも小枝などは焚きつけとして使えます。量販品の割り箸でもOK。
焚きつけを5〜10分くらい燃やせば、トーチへ引火します。
もしも燃えの広がりが弱い場合、息を吹きかけて空気を送れば火力があがります。
がんばってフーフー吹いてください!(火吹き竹なんかがあるととっても便利です)。
また、トーチの内部が燃えていても炎が立ち上らない場合、空気が足りていない or 温度が十分上がっていないのが原因です。
しっかり空気を送って火力をあげてやってください。
火力がある程度増すと、炎が安定して立ち上るようになります。
トーチに着火させるまでを動画つきで記事にまとめています。雰囲気がよくわかるはず。
着火剤についても比較してみました。
②あとは燃え尽きるまで楽しむ
いったんしっかり炎が上がれば、あとは自然に燃えてくれます。
トーチの炎を使えばマシュマロやソーセージが焼けたり、ヤカンでお湯がわかせます。
最低でも1時間は燃えてくれます。なので途中で消したい場合は水をぶっかけてください。
③燃え尽きたあと
スウェーデントーチは全部が燃え尽きるわけではありません。
↓下の土台や支柱の一部は残ります。
これは単純にゴミですが、焚き火や薪ストーブ、バーベキューなんかの燃料になります。
↓斧で割って薪として使えます。
火が消えてもすぐには温度が下がりません。片付けるなら数時間はほっとくか、水をかけて冷ましてください。
普通の焚き火となにがちがう?
焚き火には3つの機能があります。
- ロウソク(灯り & 火の鑑賞)
- ストーブ(暖房)
- コンロ(料理の熱源)
焚き火のように細かな調整はできませんが、スウェーデントーチも同じように使えます。
↓マシュマロを焼いてます。
↓スキレットで肉を焼いています。
↓コッヘルでお湯をわかしてます。
スウェーデントーチは炎がきれい
とくに灯りとしてのは炎は独特で、とてもきれいです。
僕が初めてスウェーデントーチを見たとき、その灯りにけっこう驚きました。
スウェーデントーチの切れ込みの数は
- 4等分
- 6等分
- 8等分
など、とくに決まりはなくて、多いほど空気が入り火力が増します。
切れ込みから空気が入って上昇することで、ロウソクのような炎が立ち上ります。同時に光が内側からもれることで、とてもきれいな陰影が周囲に生まれます。
夜に火をつければ屋外のステキな灯りになったり、火をつけるロウソクとして活躍します。
スウェーデントーチはいったんしっかり火がついたら、そのまま燃え続けてくれます。なので薪を追加でくべたりする必要がなくて、トーチ1本で手軽に焚き火が楽しめます。
セッティングしたり薪をくべたりするのは焚き火の醍醐味ともいえるので、そのへんは味気ないかもしれないですね。
燃える様子の動画を撮ってみました
自作のスウェーデントーチの燃え尽きるまでを撮影してみました。
時間がたつにつれて変化していく様子がわかると思います。
スウェーデントーチの大きさ・燃焼時間・樹種は?
スウェーデントーチは一般的に売られているのものだと、
- 高さ:35〜40cm
- 太さ:20〜25cm
- 燃焼時間:1〜2時間(長いと3時間以上)
くらいが多いです。
薪と同じで、樹種によって燃焼時間と火力は大きく違ってきます。
- 【針葉樹】スギ、ヒノキ、マツなど。火がつきやすく火力が強い。燃焼時間は1〜1.5時間くらい。
- 【広葉樹】カシ、コナラ、クヌギ、ウバメガシなど。火がつきにくく長くゆっくり燃える。燃焼時間は長ければ3時間以上。
つかったことがない人は、まず手軽な針葉樹のトーチを燃やしてみるのがいいと思います。
広葉樹のトーチは、ものによってはほんとうに長く燃えます(夜〜朝方までとか)。
↓これは特大サイズのトーチ。樹種はスギですが年輪が細かく、夜に燃やして朝まで火が残っていました。
燃焼時間は「樹齢による密度」でも変わってくるのでいろいろです。
スウェーデントーチの作り方
作り方としては30〜40cmくらいの丸太をチェーンソーで縦に切るだけです。
けれど、ほかにもつくる上で考えるポイントがあります。
- 縦に切るのは抵抗が大きいのでチェーンソーのパワーと切れ味必須。
- 丸太は重いのでそれなりに力が必要。
- 燃やすためにはしっかり乾燥させること(半年〜1年以上)
作り方について、詳しくは下記の記事で解説しています。
ちなみに、薪を束ねてもスウェーデントーチと同じようなものがつくれます。
角材でもつくれます。
・・・
以上、スウェーデントーチの紹介でした。
火は見ていて飽きないし、ゆったりした不思議な時間の感覚になります。火を囲むのはいいもんです。
おしまい。